講座の受講を検討する場合、その講座を受講することで本試験に合格することが出来るのかってのがかなり気になるポイントなんじゃないでしょうか?
特に司法書士の試験はは、一般の試験合格率が約3%とかなりの難関資格なので、講座の受講生の合格率が一般合格率の倍かそれ以上くらいあれば多少は安心出来るかと思います。
以前は、資格学校などで講座受講生の合格率を公表しているところも多かったのですが、近年においては行政指導により過度の広告が制限されているということもあって、資格学校側も情報の開示を自粛する流れとなっており、資格学校に電話で受講生の合格率を聞いても頑なに教えてくれなかったりな状態なので、情報収集のハードルが相当上がっております。
2.誇大広告等の禁止(法第12条)
特定商取引法は、誇大広告や著しく事実と相違する内容の広告による消費者トラブルを未然に防止するため、 表示事項等について、「著しく事実に相違する表示」や「実際のものより著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁止しています。
「じゃぁ、結局知る方法はないんじゃね?」となってきますが、実はある条件を満たしている講座については合格率を調べることが可能です。
若干、記事のタイトルが煽り気味ではありますが、管理人の知る限りでは資格学校の人ではない限りおそらくこの方法しかないかと思ってます。
本記事では、その方法とどういう部分を見て判断すればよいかをご紹介したいと思いますので、一緒に見ていきましょう。
教育訓練給付制度の検索システムを利用する
資格学校で運営されている一部の講座については、教育訓練給付制度の指定講座となっているものがあり、制度を利用できる方が受講すれば、講座修了後に受講料の最大20%が返ってくるという受講生にとっては非常にありがたい制度となっております。
※厳密には司法書士の資格講座の場合、教育訓練給付制度の「一般教育訓練給付」の範囲にカテゴリされてます。
制度の詳しい内容については、当サイトの別の記事で制度の内容、利用者の条件、申請方法などを解説してますので、まずはそちらを参照ください。
で、教育訓練給付制度の指定講座だとなぜ合格実績を調べることが出来るかというとですね、この制度については年度ごとに資格学校から厚生労働省に申請手続きを行う必要があり、年度終了時にはその対象講座の実績報告をする(「現況報告書」という書類を提出)義務が課せられます。
しかも、この検索システムは一般公開されてますので、まぁ誰でも見れます!!
もちろん、教育訓練給付制度が適用されていない講座に関してはこの検索システム上にも挙がっていないため、調べることは出来ないのですが、近年では教育訓練給付制度の指定講座であることが、ある種のブランドと化している雰囲気もあり、その数は年々増えております。
あと、この教育訓練給付制度の指定講座となるためには、講座修了者の合格率が一般合格率よりも優れているかどうかも基準として設けられているため、必然的に指定講座となっているものについては、一定水準以上の質(合格率)が担保されていると判断出来ます。
資格に対応している学校全体の合格率という点においては、この検索システム上では判断出来ませんが、一部の情報を確認することが出来れば大まかな傾向が掴めるので非常に有効な判断材料になってくると言えます。
合格率の具体的な調べ方
では、教育訓練給付制度の検索システムを利用した具体的な調査方法を解説していきます。
目的のページまではいくつか手順を踏む必要がありますので、ここでは司法書士の通信講座・eラーニングの合格率を調べる手順を画面付きで説明していきます。
①分野・資格名で検索
②条件部分にチェックを入れて「検索」をクリックする
今回は、通信講座、eラーニングに絞って調べておりますが、通学講座に絞る場合は「通学講座」のみチェックを残して検索すればOKです。
また、「専門実践教育訓練」と「一般教育訓練」に分かれてますので、ここでは「一般教育訓練」を選択するようにしてください。
※司法書士は「一般教育訓練」のカテゴリに属するため
最後に対象となる資格にチェックを入れればOKですが、上記ページに表示されている対象資格がかなり多いのですが、ブラウザの検索で「司法書士」と入れて調べるとすぐに見つかるのでその方法で探すようにしましょう。
③対象となる資格学校が表示されるのでお目当ての資格学校を選択
現時点(2017年)では、6校の資格学校が検索に引っ掛かってきますので、この中で調べたい学校をクリックします。
とりあえず、今回は一番上に出てるLEC東京リーガルマインドを選択。
※並び順には特に意味はなさそう(申請された順?)
④講座を選択する
LECでは現在、司法書士合格講座(DVD)と司法書士合格講座(Web+音声DL)の2講座が教育訓練給付制度の指定講座となっております。
で、ここから詳細を見るには、「詳細情報」をクリックして先に進みます。
※サンプル的に「司法書士合格講座(Web+音声DL)」を選択
⑤合格率をチェック
詳細画面の真ん中あたりに資格取得状況の欄があります。
ここに教育訓練給付制度を利用した方の受講者数、受験者数、合格率が掲載されており、赤枠の部分が受講者の合格率となってます。
※やっとですね。。
この詳細ページには、「受講者に対する習得度・理解度についての具体的な助言・指導方法」や「受講中・修了時における資格取得・就職へのバックアップ体制」の情報も掲載されてますので、確認しておくとよいでしょう。
なお、確認出来るのは過去3年分となっており、少しタイムラグもあってか昨年度分がまだ見れない状態でした。
まぁ、これは時期がくれば更新されると思います。
駆け足でしたが、調べる方法としては以上となります。
では、最後に具体的にどの数字をどう判断すればよいかをご紹介していきます。
2つの数値を要チェック
確認するべき部分としては合格率はもちろんですが、そこに至るまでの受験率も非常に重要なポイントだと考えてます。
受験率とは、本試験の受験を行った人を講座を受講した人(厳密には教育訓練給付制度の申請をした受講者)で割った数値であり、簡単に言えば、講座を受講して脱落せずに受験にまでこぎつけた確率とも言えます。
特に教育訓練給付制度の指定講座に選ばれている講座については、初学者を対象としたものが多くなってますので、いわば初学者でも挫折せずに試験対策をすることが出来た確率とも言い換えることが出来ます。
もちろん、仕事の都合などで仕方なく受験できなかった方も含まれているとは思いますが、それらはおそらく少数だと判断出来ますので、上記の考え方でも問題ないかと思います。
で、上記の図で出しているのはLECの講座の受験率、合格率となってますが、これが良いのか悪いのかが判断しずらいところだと思います。
それを踏まえて、管理人のほうで、この検索システムから調べることが出来る司法書士の通信講座・eラーニングを対象に受験率、合格率の合算数値を算出してみました。
受講者数 | 755人 |
受験者数 | 580人 |
合格者数 | 77人 |
受験率 | 76.82% |
合格率(合格者/受験者) | 13.28% |
上記より、受験率の平均は約77%、合格率の平均は一般合格率の約3.4倍(平成27年度は合格率3.95%)ということが導き出せます。
こちらの平均値と先ほどのLECの受験率、合格率を比べるとその良し悪しが判断つくかと思います。
LEC | 全体平均 | 比較 | |
受験率 | 51.43% | 76.82% | 悪い |
合格率 | 11.11% | 13.28% | やや悪い |
このことから、今回サンプルとしてチェックしたLECの司法書士合格講座(Web+音声DL)については、受講者の受験率は平均よりも悪く、試験を受験した受講生の合格率も平均よりやや悪いという判断が出来ます。
なお、各講座毎の合格者数の母数が少ないというのもあり、これだけで受講の良し悪しを判断するのはいかがなものか?というのもありますが、講座を選ぶ際の有力なヒントになることは間違いありませんので、お目当の講座があればチェックしてみてください。