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3人の男
いずれも法律系士業である「弁護士」「司法書士」「行政書士」。
資格を目指す人はその違いを理解していても、一般の人から見れば少し分かりにくいところがあります。

特に、これまで弁護士しか行えない業務の一部を認定司法書士ができるようになったり、“司法”という言葉が、「弁護士」「司法試験」を連想させたりするので、弁護士と司法書士の違いについてはなおさらです。

ここでは弁護士・司法書士・行政書士が行える業務を整理・比較してみましたので、それぞれの違いや特長をおさえておきましょう。

弁護士/司法書士/行政書士の仕事領域は?

ご覧のとおり、司法書士と行政書士は、それぞれ役割が限定されています。いかに同じ法律系の士業とは言え、テリトリー外の仕事をするためには資格が必要となります。

それに比べ弁護士は、法律にかかわる業務全般を行うことが可能です。しかも、その範囲に制限はありません。

どのような法律相談でも対応が認められていますし、あらゆる人の代理人となって法律業務を行えます。要するに、弁護士資格があれば、司法書士や行政書士の仕事も出来ると言うわけです。

■民事訴訟事件などで司法書士が認められる業務
目的の請求金額業務内容弁護士司法書士
140万円を越える裁判の代理人地方裁判所
簡易裁判所
交渉の代理人
紛争に関する法律相談
140万円以下裁判の代理人地方裁判所
簡易裁判所
交渉の代理人
紛争に関する法律相談

「△」のところは、法務大臣より認定を受けた認定司法書士であれば、簡易裁判所でのみ扱われる金額が140万円を超えない請求事件の代理業務を行うことができます。しかし、請求金額が140万円を超える案件は弁護士にしか担当することができません。

本来は弁護士専門であった業務の一部を司法書士が出来るようになったわけですが、弁護士の目線で見れば、それはまだまだ限定的な範囲でしょう。

一方、司法書士からすれば、大きく活躍フィールドが広がったと言えます。

詳しくはこちらの記事でまとめてますので参考まで。

みなさんも「士業(しぎょう)」という言葉を耳にしたことがあると思います。◯◯士と言うように、最後に“士”が付くので「さむらいぎょう」などとも呼ばれる人たちのことですね。国家試験の難関を勝ち抜いた彼らに抱くイメージは、群れに属さず一匹狼として職を全うする、まさに武士そのものです。特に、数ある士業のなかでも、戸籍・住民票の請求権が認められている「弁護士」「司法書士」「行政書士」「土地家屋調査士」「弁理士」「公認会計士」「税理士」「社会保険労務士」は“8士業”と総称されています。では、そのひとつ「司法書士...

司法書士と行政書士の違いを少し掘り下げてみる

弁護士が法律に関する全てのことが出来るオールラウンダーであることがわかったところで、次は司法書士と行政書士の違いを見てみましょう。

遺産相続と会社設立を例として、それぞれが行える業務を表にまとめてみました。

■遺産相続に関すること
業務内容司法書士行政書士
遺言書の作成
相続人の調査、戸籍収集
遺産分割協議書の作成
不動産の相続登記
相続放棄の手続き
家庭裁判所への調停、申立書作成

遺産相続の調査や文書の作成は、司法書士、行政書士どちらも可能です。
しかし、登記や家庭裁判所に対する相続放棄の手続きを行政書士が行うことは出来ません。

■会社設立に関すること
業務内容司法書士行政書士
定款の作成
公証人役場での認証手続き
法務局への会社設立登記

会社設立に関する業務では、定款の作成や公証人役場での認証手続きは行政書士でも可能ですが、法務局への登記手続きは行政書士には出来ません。

こうして見ると、行政書士よりも司法書士の方が業務テリトリーが多い印象ですが、行政書士にしか出来ないものも相当あり、代表的なものが下記の業務です。

■司法書士が行えない行政書士の業務
各種許認可手続き
建設業許可/古物商許可/飲食業許可/宅建業免許登録/酒類販売業許可/喫茶店営業許可/産業廃棄物許可/労働者派遣事業許可/介護事業申請/風俗営業許可申請/探偵業届出
自動車の登録
自動車登録/車庫証明/名義変更/廃車手続き/運送事業許可/介護タクシー許可/自動車運転代行業認定
在留資格・VISA
在留資格認定証明書交付申請/在留資格変更許可/在留期間更新許可/永住許可申請/再入国許可

資格のちがいについて まとめ


以上、弁護士・司法書士・行政書士の違いについて簡単に説明してみました。名前は似ていても業務のテリトリーは明確に決まっていて、それぞれの専門分野に特化した資格であることがお分かりいただけたと思います。

弁護士であれば、何でも出来ることは事実ですが、内容によっては司法書士や行政書士に依頼した方が費用面や対応に差が出たりするため、そこは適材適所、その道の“専門家”に依頼するのがベストです。

これらのことを念頭に、これから司法書士を目指す人は、ご自身の将来ビジョンを描くと良いでしょう。

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