司法書士は、法律系士業の中でも、非常に難易度の高い国家資格です。近年その合格率が3%台で推移していることからみても、そのハードルの高さが伺い知れます。
資格名 | 合格率 |
司法試験 | 22.90% |
司法書士 | 3.95% |
行政書士 | 9.95% |
土地家屋調査士 | 8.90% |
中小企業診断士 | 3.39%(一次試験 17.7% /二次試験 19.2%) |
不動産鑑定士 | 4.72%(短答式試験 32.6% /論文式試験 14.5%) |
税理士 | 15.80% |
公認会計士 | 10.80% |
社会保険労務士 | 4.40% |
弁理士 | 7.00% |
しかし、難易度が高いということは、裏を返せばそれだけ社会に認知され、資格を持つことのステイタスが非常に高いと言えます。
また、司法書士試験は、学歴や年齢、性別を問わず、何度でも受験することができることも挑戦者にとっては魅力です。
100人の受験者に対して合格者3名強という難関を突破しなければならない司法書士試験。資格を持つことで得られるメリットや魅力とはどのようなものがあるのかをご紹介していきます。
その社会的地位が、誰からも認められている
司法書士試験は誰でも何度でも受験が可能です。大学で法律を専攻する必要もありません。会社に勤めの人でも、学生や専業主婦でも挑戦できます。
しかし、挑戦者に広く門戸を開いている反面、合格を勝ち取ることが出来るのはごく一部の人。それだけ司法書士とは、私たちの生活における身近な法律家として、深い専門知識が必要とされるだけでなく、国民の権利を守るため高い倫理観が要求されるわけです。
司法書士でしか扱えない独占業務が多いのも頷けます。
顧問先に行けば“先生”と呼ばれるのが司法書士。裁判所や法務局でも、司法書士であれば応対も違ってきます。そうです!司法書士とは、この社会で一目置かれる存在なのです。
難しい試験に合格して手に入れた資格の価値は、その人の未来を変えるほどの重みがあると言えるでしょう。
- 難関を突破した資格の重み
- 社会的地位の高さ
- なかなか普通の人には出来ない仕事であるという自信
開業できる・独立がしやすい
司法書士の資格を持つことは、自分の意志でいつでも好きな時に独立開業ができると言っても過言ではないでしょう。
司法書士試験に合格した後は、日本司法書士会連合会や各地の司法書士会が主催する研修制度を受講することで、実務経験なしでも開業が可能です。
しかし、最初は司法書士事務所に就職して自分のスキルを磨く、というのが一般的。事務所に就職してから独立までの期間は3年が目安と言われています。
もっとも、近年は働き方に対する考え方も変化しているため、資格を取ってからの選択肢も多様化しています。たとえば一般企業の法務部門でもその知識が発揮できるでしょうし、不動産や金融、保険会社で更なる知識を積むことも可能です。
いずれにせよ、司法書士の資格には期限と言うものがありません。一度取得した資格は生涯有効です。また司法書士には定年もないため、企業に勤めながら資格を取っておいて、リタイヤ後に開業してもいいのです。
就職・転職に有利、って本当?
司法書士の資格を取ることは就職・転職にも有利である、との紹介記事を目にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
近年、働き方に対する考え方の変化で、資格を取ってからの選択肢も多様化しているということは紹介しました。本人に独立開業のキャリアプランがあるなしにかかわらず、「司法書士事務所や法律事務所で働きたい」という場合、資格が断然有利なのは間違いありません。
また、一般企業の新卒採用担当にとっても、司法書士の資格を持つ学生からのエントリーは相当にインパクトが強いことでしょう。
ただ、就職・転職に関しては、本人の情熱や相手企業との相性に重要なポイントなので、資格が絶対有利と過信するのは禁物です。しかし司法書士有資格者であるということは、相当な法律知識を持つことの証明となるため、法律に強い人材を望む企業や行政に対しては、圧倒的なアドバンテージになります。
まとめ
ここまで、司法書士としての魅力や仕事でのメリット・魅力について見てきました。
司法書士の資格を取るために超えなければならない合格率3%台の壁。
しかし一度手にした資格の価値の重みは計り知れなく、その人の人生を揺るがすほどのもの。このことも資格を目指す人のモチベーションとなっているに違いありません。
司法書士資格は、司法書士を目指す人だけでなく、今の働き方に満足していない人や自分の生き方を変えてみたいと考えている人にも挑戦するだけの価値がある資格です。試験は、学歴・年齢・性別などに関係なく、誰でも受験することが出来ますので、ぜひ挑戦してみてください。